2019年03月02日

Give you what you like

自分がなにをしているのかわからない。

大好きな人々は、きっと一人残らず死んでしまったんだ。

私の大好きな人々は、心の中にいるんだけど、日々は、時間は、全て幻想のような思い出に覆いつくされた。


ここからどうやって出られるのでしょう。

ここからどうやって踏み出したら、私の心の中に去って行った友達に会えるのだろう。


彼らと一緒に生きる人生の筈だった。

そうじゃなくなったのは、なにも途中からじゃなくて、最初からだった。


つまり私は、最初から死んでいる。

あなた好みの私は、どこか遠い場所に居て、また、あなた自身も、同じく遠い場所にいる。


自分が何をしているのかわからない。

望むことの、その全てに手つかずのまま、私は命を落とす。


彼らに愛されることはなかった。

なぜなら、愛してあげる機会がなかったから。


一言でもいい、語り掛けてくれたら、そのときはきっと、会釈をする。

そしてそのまま通り過ぎて、私は再び後悔する。


At this very moment.

I Wish I were dead.

I just can’t cope any more.




iancurtis at 18:47|Permalink

2018年10月17日

彼氏が死んでしまった【彼女は物質51】

私たちの不運は、まだマシなほうだった。きっと、多分。
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リビングに飛び交う会話が極端に減り、静けさに耐えられない。正面で本を読む穏やかな姿しか目に映らない。こんなの嘘だ。以前の感覚を返して欲しい。

何を我慢しているのか分からなくなる前に、自分の運命を探しに行きたくて、私は部屋を歩き回った。

掘り出したくてPCの電源を入れた。早く起動してよと、立ち膝のままで全身が怯える。

クルクルと鳴る本体、少し時間を稼ぎすぎた。思いが捻じ曲がって、塞ぎこんでいたら失ってしまった。

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急激に光を放つモニター、この中に私は入る。

音量を上げいつもの指先がマウスを走らせると、耳から頭蓋骨へと割れるほどの振動が入ってきた。聞きなれた音楽に支配され、画面をスリープモードに落としたら、もう楽になれた。こうしてうずくまって居れば大丈夫。

キーボードの四角の数を、端から薬指でゆっくり辿って行く。二列目、ガサッと右耳からノイズが走りギョッとした。イヤホンを引っこ抜かれ、横を向くとジョウがこれ見よがしに怒った表情を向けてきている。

「僕をひとりにするな、なめやがって。」

 そんなこと知らない。意地っ張り、とても苦しく寂しいよって叫んでみせてよ。お互いが放つ言葉を訳せなくて本当は寂しい。

全員道連れにならなきゃ納得いかなくなってきた。我が侭だ、ずるいと、きっと思われている。

シャットダウンされそうになったので争いながら二人して立ち上がった、勢いをつけ左耳からもイヤホンが外れ、耳珠のピアスを掠めた。
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言葉の無い喧嘩の末、肩を掴まれ凄く近寄られたら、当然すぐに負けてしまった。

指が食い込んできて痛い。下を向くと額が彼の鎖骨にぶつかった。

どれくらいの時間をこの体勢で過ごしたのか、リビングが薄暗い。日が暮れる寸前の所で、突き飛ばされ床に全身を叩きつけると、非力さの音が宙を舞った。

両肘をついて身体を起こし、背を向け珈琲を入れにキッチンへ歩を進める。

乱暴にされたけど痛くなんか無い、火を放って水を沸かす。
遠目で彼の動きを眺めて沸騰を待っている。

スピーカーからPCへと、黒く細長いコードを器用に繋げていっている。そんなこと出来たんだ。途中で立ち止まり、薄くて平たい機材を挟み、さらに蔓延る接続の管。

楽しそうに身体を翻すジョウを見ていると、手元では正しい味の珈琲が出来上がっていた。
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 新しく仕掛けられた罠につまずきそう、床には覚えの無い障害物が数本増えた。足の裏で安全を確かめながら進む、部屋全体では大好きな曲が鳴り響く。

全てを白状してしまったようで、これは報復に近いとすら感じる。何とかソファーまでやって来た、転んで膝に痣を作るのはもう嫌だ。

元の位置へなだれ込んでカップを手渡すと、クスクスと笑われた。煙草の煙。場所。ここは我々の場所ですか、永遠の。

 



iancurtis at 02:22|Permalink彼女は物質 

女1男2の三人暮|一人が交通事故で死んだ『悲惨な生活・心理状態』とは【彼女は物質50】

囚われいつしか出られなくなった同じ場所、この家。善悪の材料を選りすぐり、少なめの食事の準備へと取りかかる。

研がれた包丁で苦味の強い野菜をザクザク切り、外国からやって来た肉の破片をフライパンで火傷させる。

大切ではない、他の生命体がこうして怪我をすると、自分は悪くないのだと釈明出来たような気がしてきた。

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作業行程を伺いに、ジョウがふらふらと側にやって来た。このジョウの気配には毎回えぐみを感じる。

お互いに嫌いになってしまったのか、少し突き飛ばされた。

彼はキッチンの一番下の引き出しをガシャンと開けると大きめの鍋を取り出し、手早く水を入れ火にかけた。

スープが飲みたいの?

指図されたメニューを瞬時の把握し、頭で彼の機嫌を模索している自分に少し腹が立つ。

彼の動きを片眼で追いかけると、適当な位置にひょいと寄りかかり、胸元のポケットから煙草を取り出した。カチッとライターが鳴るのと同時に反抗的な感情が沸いて来た。

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鍋に肉と野菜を投げ込み、手を洗う自分の流れだけを眺めていると、シンクを灰皿にされているのが横目に入り込んできた。やめて欲しいと視線をチラッとだけ向けると、鼻で笑われた。

その瞬間あまりにも憤り、一気に踏み込み彼の首に手を回した。

ほら、ふいを付いて近づくと、瞳の中にある混乱を見せつけてくるくせに、平気そうにしていることが許せない。

暗い片隅へと限界まで引きずり込んでやりたい。

睨まずに微笑み返した。すると、二人分のため息が換気扇へと緩やかに奪われた。

 心遣いがぶつかり合う始末。
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所有者を失った家の中、無理な制限に付き合わなくてもいいのに。憐れみは要らない、気を使わず自身の好物を食べたら良いのに。

仲直りがしたいのだけど意地悪が沸く、甘めの塩加減をした。肩が触れ合い驚いて身を縮めると、彼は私を手で押しやり、コンロの上の鍋にスプーンを掲げ、味見を繰り返し、首を何度も傾げている。

ぴょんと調理スペースのカウンターに飛び乗って腰掛けると、こっちを見下し無言で凝視された、表情が真剣で少しおかしくなってきた。

 こんなのどうだっていいじゃん。

灰汁を除き、乾いた草の粉をパラパラとさせる。限られた食物から織り成す遊び場、砂のようなクリームを大げさに加えると、渦を巻きながら混濁し、更に加熱は続けられる。


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実際にはもう冷たい食べ物しか喉を通らない、一人だったらアイスだけで済ましたい、前々からそう思っていた。
「甘ったるい物です。」
「僕はすでに腐った物が好き。」
 意見が合い笑った。

カビが生えるチーズを冷蔵庫から取り出し鍋に放り入れた。まだ何だか物足りないからと、赤い缶をゴボゴボ加える。

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再沸騰を待つと、それなりに美味しく仕上がってしまった。

いつもと何かが違うから、鍋の中全体に興味が沸いた。ジョウは煙草を吸いながら器用に食べ進めている。たまに短い口笛を号令のように吹いて響かせた。その度私は短く笑う、機嫌が良い、火にかけられた命の欠片。

何も食べられないよりはまし、はっきりとした理由も分からず変わっていく皿の数。もっともっと減っていく、こんな事態はありがち。

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iancurtis at 02:17|PermalinkComments(0)彼女は物質